「腰が痛いのよね。温泉がいいっていうけどホントかな?それに温泉っていろいろあるけどどれも同じなのかなぁ」
「温泉はいいっていうよね。でも温泉ごとに効能が違うからより適した温泉について考えてみましょう。」
この記事「腰痛に効果のある温泉の泉質と入り方について」では、腰痛に効果のある温泉について紹介しています。
なぜなら、温泉にはいろいろな種類があってそれぞれに泉質に違いがあります。その中でも腰痛に効果のある泉質の温泉とはどのような温泉なのかを調べています。
この記事では、腰痛に効果のある温泉を紹介しています。
記事を読み終えると、腰痛により効果のある温泉について知ることができ、近場の温泉を利用する際に役立てることができます。
腰痛に効果的な「二酸化炭素泉(炭酸泉)」、「硫黄泉」。
温泉には様々な泉質があります。
例えば、単純温泉や炭酸水素塩泉、硫酸塩泉など耳にしたことがあるのではいないでしょうか。
中でも腰痛の症状を軽減する泉質の温泉は「二酸化炭素泉(炭酸泉)」や「硫黄泉」と言われています。
温泉には
- 温泉に含まれる成分が体内に作用することによる科学的効果
- 水圧、浮力、温熱の物理的効果
- 日常と異なる温泉地でののんびりと過ごすことでのリラックスによる環境的効果
この中の、科学的効果に着目したのが泉質による温泉の選択ですね。
温泉が腰痛に効く作用背景
腰痛の多く(約85%)は非特異的腰痛と呼ばれる画像診断装置や血液検査などを使っても原因を発見できない腰痛です。
これは、レントゲンやMRIなどに映らない、筋肉や靭帯などの軟部組織や椎間関節、仙腸関節などのほとんど動きのない関節の機能異常が原因と言われています。
この部分に何らかのストレスがかかり、脊髄神経後枝と呼ばれる神経が興奮することで筋肉が硬くなってしまいます。
筋肉が硬くなった状態が長くなると、筋肉の中で索状硬結と呼ばれるスジ状の硬い部分が形成され、自力では改善困難な痛みを引き起こします。
この自力では改善困難な索状硬結や機能不全を緩和するきっかけとなるのが「二酸化炭素泉」や「硫黄泉」なのです。
二酸化炭素泉
炭酸ガスは分子が非常に小さく、皮膚から直接毛細血管に入ることができます。それによって身体は血液の酸素濃度を上昇させ、血管の拡張を引き起こすことで血流量を増加させるのです。
さらに、炭酸ガスは疲労物質である乳酸と結合しやすい特徴があり、疲労物質を体外に排泄することを促進する作用があるのです。
- 血管が拡張することで血圧が低下し、血流が1.5~2.0倍に増加するので疲労物質の排泄が増えます。
- 自己修復タンパクと呼ばれるHSP70が増加します。
硫黄泉
体内には約50g程度の硫黄が存在しMSMと呼ばれ、骨や筋肉のコラーゲンを良好に保つ働きを持っています。
入浴により皮膚や呼吸から体内に硫黄成分が取り込まれ、15分後には血中に、20~30分後には骨、軟骨、筋膜などのコラーゲンに取り込まれます。
しかも硫黄泉で取り込まれた成分は、数週間程度は体内において硫黄分が増加した状態で存在するとされ、効果が持続するのが特徴です。
つまりダメージを受けた腰の細胞の治癒力を促進させ、細胞を包む筋膜に強固さと柔軟性を与えることができるのです。
さらに、椎間関節や仙腸関節などの関節機能の正常化に役立つのです。
- 関節痛や筋肉痛を緩和し炎症を抑え、傷ついた細胞の治癒力を促進させる効果がある
- 鉛、水銀などの有害ミネラルの体内への蓄積を防止する解毒作用を持っている
- 軟骨、骨、腱、筋膜などのアミノ酸の構成用途となって、コラーゲンを強固にする
腰痛に効く温泉(個人調べ)
登別温泉
〒059-0551北海道登別市登別温泉町
別府温泉
〒874-0920大分県別府市
草津温泉
〒377-1711群馬県吾妻郡草津町草津
有馬温泉
〒651-1401兵庫県神戸市北区有馬町
黒川温泉
〒869-2402 熊本県阿蘇郡南小国町黒川
腰痛が増強することもある
効果のある温泉ですが、腰痛が強くなることもあるので入り方に注意が必要です。
腰痛には温泉の成分よりも、温熱による効果や浮力が影響しているとの報告もあります。
あまり成分にこだわらず、近場で通える範囲で温泉を楽しむのも一つの方法かもしれませんね。
一方で、温泉に入ったグループと水道水のお風呂に入ったグループを比べ、慢性腰痛や腰の曲がる角度の改善に違いがあったとの報告があります
いずれにしても、お湯によって温熱効果は得られるので、自宅のお風呂に温泉の元を入れて、入ることでも効果を得るためには、なるべく長く入ることが必要なのかもしれませんね。
たしかに、自宅のお風呂では長くても5分くらいしか浸かっていないのに対して、温泉では20分は浸かっているのではないでしょうか。これが効果の違いの原因かもしれませんね。
移動による負担
移動には車を使いますか?それとも電車で?
長時間の移動は、腰に負担がかかる原因になります。
どのような乗り物であっても長時間同じ姿勢で移動することは、筋肉をその間中使い続けることになります。
運動のように緊張と緩和を繰り返すことができる場合は、筋肉がポンプの役割となって血液の循環が促進されることになります。
しかし、同じ状態で姿勢を保つ場合は、筋肉を緊張させた状態を続けるわけですから、血液の循環は阻害されることになるのです。
湯冷め
特に露店温泉では温泉から出ると急激に身体の温度が低下します。急激な温度変化は循環を抑制し、筋肉の緊張を強めてしまいます。
特に複数の湯舟がある場合は全部の湯舟に入ろうとして、よく温まらずに違う湯舟を試してしまい、後から身体が冷えていることがあります。
筋肉が冷えるることで血行不良を呈し、慢性的な腰痛の原因の血行不良の改善に役立っていない状態にあるのです。
急性期の腰痛の場合
捻ったりしたことで引き起こされた急激なストレスにより引き起こされたぎっくり腰に代表されるような腰痛の場合は患部の炎症を引き起こしている状態です。
温泉により循環がよくなることで一時的に筋肉の緊張が緩和され痛みが治まることもありますが、炎症を増長させ腰痛を増強させることになりかねません。
痛みを引き起こしてからの約2週間は急性期と呼ばれ炎症症状を呈している状態なので、この間を避けるようにしましょう。
この場合は、逆に冷やすようにすることが一般的です。
腰痛には「二酸化炭素泉(炭酸泉)」、「硫黄泉」の温泉が効果的
温泉には科学的効果、物理的効果、環境的効果があることがわかりました。
なかでも科学的効果は「二酸化炭素泉(炭酸泉)」、「硫黄泉」の泉質が求められます。
物理的効果や環境的効果との相乗効果により腰痛の改善につながるようです。
まとめ
急性期を脱した慢性的な腰痛には、温泉は最良の温熱療法の一つです。
温泉の泉質よりも温熱と浮力が疼痛の緩和に役立っているとの報告もありますが、かのうであれば温泉の効能を考えて温泉を選べるとより腰痛の軽減を得ることをできることでしょう。
急性期の腰痛では温泉を控え、慢性期の腰痛に対してしっかり体の芯まで温まるように注意して温泉を楽しみましょう。
・泉質は、科学的効果を期待している。
・腰痛に効果的な泉質は、「二酸化炭素泉(炭酸泉)」、「硫黄泉」である。
・効果的に温泉の効果を得るためには、入り方にも注意が必要である。