「左側だけの腰痛があるんですよ。はじめはみぞおちのあたりが痛かったのですが、だんだん痛みが強くなると腰まで痛くなってきて・・・。それも左側が痛いんだよね。」
HANA
TAO
「うぅ~ん、もしかすると内臓の病気かもしれませんね。骨に問題なければ内臓、それも膵臓の病気かもしれません。」
膵臓は胃の裏側にあり、その周囲に多くの神経があるため、膵臓の病気でも背中の痛みや腰痛の症状が出ることがあるからです。
腰痛があるので整形外科を受診しても、レントゲンやMRIでもなかなか原因がわからず、血液検査をしてみたら膵臓の値が異常値を示していたということもあるようです。
原因がわからない腰痛に悩んでいる方にとって膵臓の病気を疑う一つのきっかけになり、早期発見・早期治療につながることを願います。
左側の腰痛の原因の一つに膵臓の病気が考えられる
おなかから背中にかけて痛い、それも左側が・・・。
ぎっくり腰かなぁ。でも、なんか違う。
そんな時は整形外科ではなく内臓の病気、それも膵臓の病気の可能性があります。
膵臓は胃の裏側にあるため背中に痛みを生じることがある
食物の消化を助けるための酵素が、過剰に分泌されたり膵管で詰まったりして膵臓内に滞ってしまい過剰に反応すると、膵臓自体を消化したり炎症を起こしてしまうのです。
炎症を起こすと、膵臓は胃の裏側、後腹膜という背中に近い側に張り付いているため、おなかから背中にかけての痛みの訴えが、最も多い症状となります。
さらに膵臓自体の消化が急激に進むと、炎症が心臓や肺、肝臓、腎臓などの重要な臓器にまで影響し、すなわち多臓器不全を起こしたり、壊死した部位の細菌感染による重篤な感染症を合併し、死亡してしまうこともあります。
膵臓の炎症の中でも”急性膵炎”は、おなかから背中に突き抜けるような、立っていられないほどの激痛が起こります。
アルコール摂取が多いと急性膵炎として激痛が生じる
それは膵臓の周りは多くの神経があるためです。
また、吐き気や嘔吐も伴います。
原因はアルコールや脂っこい食事の大量摂取とされ、40~50歳代の男性に多いようです。女性は胆石性の原因で、60~70歳代に多い傾向があります。
芸能人Fも罹った急性膵炎
急性膵炎といえば、2011年に罹患し、激やせしたチュートリアルの福田充徳さんが有名ですよね。それに次長課長の河本準一さんも同じでしたよね。
チュートリアルの福田さんは当時かなりのアルコールを摂取していたようです。急激な疼痛でかなり苦しんだと体験談で話されていました。
椎間板ヘルニアでも左型の腰痛を生じる
一方、慢性膵炎では背中の痛みはそれほどでありません。
膵炎の場合は、飲酒か胆石が原因のことが多く、腰痛もありますが、食事による腹痛の増悪があり日常生活に支障をきたしますので判断材料の一つにしてください。
また、膵臓癌の初期では腹部の重苦しさがあるくらいのようです。他には便通が悪かったり、食欲が落ちたりといった症状ぐらいです。
膵臓癌では、その程度の痛みなので早期発見が難しく、肝臓と並んで沈黙の臓器ともいわれる所以(ゆえん)です。
膵臓癌で背中や腰つが起こるのは背骨の周囲の神経にがん細胞が浸潤することによるものです。
そのため、痛みは進行性となり、良くなることはありません。また、背中だけでなくみぞおちの痛みがあり、食事がとれないなどの他の症状が目立つことが多いのも特徴の一つです。
逆に、食事はとれる、痛みが姿勢や日によって変わる場合は膵臓癌ではないことが多いようです。
働き盛りの方で、お酒がすきで、脂っこい食事や肉がすきな方は、おなかや背中の痛みや違和感がずっとあったら一度疑ってみてもいいでしょう。
みぞおちから左脇腹、腰の痛みは膵臓の病気も疑う
急性膵炎の診断
- みぞおちから左わき腹にかけての急激な痛みや押すと痛む。
- 血液検査、尿検査でアミラーゼ、リパーゼが高値。
- 画像診断(超音波、CT、MRI)で膵臓の炎症を認める。
症例では膵臓の壊死や細菌感染が見られ死亡するケースもあるため、直ちに入院し重症度に応じた治療が行われます。
なるべく早く適切な治療を行うことが大切なのです。
膵臓がむくんでいる程度の軽症・中等症であれば、基本的治療により数日~2週間で退院できます。重症化しないうちに対応するきっかけになることを強く願います。
しかし、その後も脂肪分の多い食べ物、大量のアルコール摂取は厳禁です。再度消化酵素の過剰分泌、膵管内の圧力上昇により急性膵炎の引き金になるからです。
参考までに、他に腰痛を引き起こす内科的疾患には、腎盂腎炎や尿路結石、大動脈解離などがあります。
まとめ
みぞおちから左わき腹や腰痛があり整形外科ではその原因がわからない場合、膵臓の病気を疑ってみることも大切です。特に40~50代の男性の場合、普段アルコールを大量に摂取していたり、脂っこいものを多く食べているなど心当たりがあれば尚更です。
膵臓は沈黙の臓器と称され、膵臓癌ではかなり進行しなければ症状に気づかなかったり、逆に急性膵炎では症状に強弱はあるものののたうち回るような激痛を伴います。
いずれにしても早期発見・早期治療が求められます。
POINT・整形外科で原因がわからない腰痛。特に左側の腰痛の場合は膵臓の病気の可能性がある。
・膵臓の病気の場合、激痛やみぞおちの痛み、食欲の低下が生じる。
・アルコールや脂っこいものの大量摂取が原因である。
・重症化しないうちに早期発見、早期治療が必要です。
・心当たりがあれば、医師に相談してください。
・膵臓の病気の場合、激痛やみぞおちの痛み、食欲の低下が生じる。
・アルコールや脂っこいものの大量摂取が原因である。
・重症化しないうちに早期発見、早期治療が必要です。
・心当たりがあれば、医師に相談してください。