運動により軟骨が再生する?

03. 📋 診断・症状

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村田1)は老齢ラット通常飼育群に比較してバランス運動群の軟骨厚が増加していたことから、加齢によって距腿関節軟骨退行性変化を呈するが、関節運動を伴う機械刺激によって関節軟骨変性を抑制、改善に作用する可能性があることが示唆されたと報告している。
1.村田, 健., et al., ラット足関節軟骨の加齢と運動の影響. 理学療法 - 臨床・研究・教育, 2011. 18(1): p. 61-66.

このことは、リハビリを行っている私たち理学療法士にとっても運動を処方する上で運動を肯定する報告として大いに参考になる。

関節軟骨は、加齢により徐々に変化を生じる。この変化を退行性変化というが、ヒトに限らず生を受けたと同時に時を刻むとともに加齢の経過を辿っているのである。

考えれば、どんな高級車であろうが10年もたてばあちこちが痛み、買い替えの時期を迎える。

使い方が粗ければ、10年も経たないうちに買い替えていることだろう。

しかし、ヒトの体は10年どころか、70年80年、いまは100年でも珍しくない。

当然、あちこちに無理が生じ、痛かったり、動かなくなったりして、だましだまし使っていたり、ある部分を交換したりしていることでしょう。

関節軟骨は退行性変化により関節機能が障害され、関節に痛みや可動域制限を伴います。

そのため、この関節軟骨の退行性変化に関する組織学的な研究は多く散見され、編成による軟骨組織学的変化や関節軟骨の機能低下に対する報告が多くなされています。

一般的に、退行性変化を呈した関節軟骨の自然治癒は期待できないとする報告が多く、加齢に伴い関節運動のような力学的情報が欠如および減少する事が関節内部で行われている滑液の循環による栄養供給が滞り、軟骨基質成分であるコラーゲンや軟骨細胞数が減少した結果、関節軟骨の変性が生じるとしています。

この報告での特徴は、これまで退行変性を生じる前から運動を行ってきたら効果があったとする報告があるが、退行変性を生じている関節に対しても効果があるかという点と多くの報告が膝関節を対象にしているが同じ荷重関節であるが別の距腿関節軟骨でも同様の効果が得られるかという点である。

結果、若齢期ラット群の関節軟骨に比較して老齢期ラット通常飼育群の距腿関節荷重部に関節軟骨表層の不規則性が認められ、バランス運動が関節軟骨変性を抑制し、改善をする可能性が認められたのである。

今からでも遅くない。

関節に適切な刺激を加えて軟骨変性を抑制、改善を促し、健康な生活を手に入れましょう。

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TAO

悠々自適な経済的自由人に憧れながらも、人として何ができるか模索の毎日です。修士課程で複雑系システムに魅了され頑張らない人生が理想です。

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