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03. 📋 診断・症状
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腰痛は、若い人から中高年まで、男女関係なく悩まされて病気の一つです。病院で検査を受けても、痛みの原因が特定できない割合はなんと80%以上といわれています。その原因に大きく関与しているのは、精神的ストレスが深く関わっていることが分かってきました。
ヒトは、二足歩行となり、進化に伴い、さまざまな文化を手に入れてきました。
しかし、約5~6kgの頭を支え、歩いたり、座ったり、作業したりと日常生活を送る上で、背骨はS字状の形態を呈して動作を可能としています。
同時に、体を前に倒し中腰などの姿勢をとると、腰には立っているときの3~4倍の圧力がかかるといわれています。
腰は月(にく)へんに要と書きますが、腰の中心に合って動作の要となっているのです。
動作に伴って、常に負担がかかるので、多くの人が腰痛に悩まされ、治りにくいということも理解できますね。
そのため、姿勢不良により筋肉や骨がストレスにさらされて痛んだ結果、腰痛になると考えられています。
ですが、レントゲンやMRIで精密な検査をしても、姿勢や筋肉、骨などの構造体に損傷を受けているとは断定できず、”恐らくここが原因でしょう”と、いった説明をされることもあるのです。
例えば、よく耳にする「椎間板ヘルニア」でも、痛みの強い人と痛みのない人のレントゲンやMRIの画像を比較してみると、レントゲンでの変形の大きさと症状とは一致しないことも多々あるのです。
このように精密検査で、その80%以上が痛みの原因の特定ができないのも、臨床経験の中で納得します。
しかも、慢性腰痛は特に原因が特定できないそうです。
こうした中、ストレスが大きく関わっていることがスイス・チューリッヒ大学が報告(1995年)しています。
痛みをコントロールするドーパミンシステムという脳のメカニズムが関与しているようで、痛みがあってもその痛みをドーパミンという脳内物質が大量に分泌されることで、痛みを抑制し感じ方を軽減しているというのです。
そういえば、交通事故で重症を負われた方は、受傷直後は下肢が骨折しているにもかかわらず痛みが無く、自分で車を降り危なくない所まで避難して、自分で救急車を呼んだ、といわれる方が結構いらっしゃるのです。
一時的に、ドーパミンシステムにより疼痛をコントロールできたとしても、日常的にストレスを受け続けると、脳内物質のバランスが崩れ、このドーパミンシステムが機能しなくなるのです。すると痛痛抑制作用をもつドーパミンの分泌が減少し、痛みを抑えることができず、痛みが持続してしまうのです。この痛みの持続がストレスとなり更にドーパミンの分泌を抑制する悪循環を作り上げていると考えられています。
このストレスは、個人によって感じ方が異なり、画像にもでないのです。
解決策として、個人でストレスをため込まないようにしましょう!!
とはいっても、個人でストレスをため込まないように注意する事がストレスになっている方もいらっしゃいます。
ひどい方は、カウンセリング等を通して実際に話を聞きながら、消化していくことが必要ですが、信頼して相談できるパートナーあるいは治療者と出会えることが一つの糸口かもしれません。
できれば、精神的な側面を考慮できる身体的な治療者がベストです。