2025年 理学療法士の将来について

08. 👨‍🔬 産業理学療法士

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2025年 理学療法士の将来について

私の彼が、理学療法士になろうっていうけど・・・。
しばらくは人口も高齢者も多くなっていくからいいかもしれないけど、ピークを過ぎると人口や高齢者数が激減するでしょ。
そうしたら、需要が無くなって、生活できなくなるんじゃない?
大丈夫かなぁ。

HANA
TAO

こんにちは。
専門理学療法士で第1種衛生管理者と糖尿病療養指導士を取得して産業理学療法に取り組んでいるマスター(修士)TAOです。

この記事で解説する『2025年 理学療法士の将来について』で、これからの理学療法士についての悩みに対して解消しますよ。

現職の理学療法士の方やこれから理学療法士を目指す方の参考にしてください。

キーワードは「変容」と「淘汰」

必要なものは残り、それ以外は排除される

つまり、エビデンスのない理学療法は診療報酬・介護報酬上から排除されるでしょう。

日本の理学療法士教育が始まった1963年、当初は「リハビリテーション」や「理学療法」という新しい職業を理解してもらう事から始まったようです。当時の理学療法士は、従来からの”マッサージ”行為との差別化に努力し、結果、リハビリテーションが”マッサージ”とは異なることを社会的に評価されるに至りました。

私たちも、入職当時看護師が患者に対して「さぁ、マッサージしてもらおうね」と言っていいるのを、そうじゃないと否定していたことを覚えています。

しかし、今もって理学療法がマッサージと差別化できているとは言い切れない部分があります。

さらに、最近の現場でも理学療法士が簡単にマッサージを行っているのを目にします。中には「マッサージだけの理学療法」や「お散歩のお供の理学療法士」と揶揄されている現状も知っています。

必要なものは残り、それ以外は排除される

マッサージが悪いと言っているわけではありません。理学療法士がマッサージを”主”とすることが問題なのです。

理学療法士は、「早期の家庭復帰と社会復帰」、「QOLを高める」ことを主体としなければならないはずです。

本来の目的のために、解剖学や生理学、運動学を学び、運動療法や物理療法を駆使しなければならないのです。

そして、早期の家庭復帰や社会復帰に効果のあった運動療法や物理療法が後世に残していくべきものなのです。

「社会保障制度改革国民会議報告書」にみる「医療・介護分野の改革」

「早期の家庭復帰と社会復帰」、「QOLを高める」、「健康の維持増進」、「疾病の予防」

マッサージだけの理学療法

社会保障制度改革国民会議報告書にある「早期の家庭復帰と社会復帰」、「QOLを高める」に関しては、これまで行ってきた理学療法の業務であり、「マッサージだけの理学療法」を行っている理学療法士は必要とされていないのです。

もう一度、理学療法士になろうと思った時の自身のイメージする理学療法士像を思い出してください。

そこには、マッサージだけ、お散歩のお供、をしているでしょうか。

では、何故このようなことになってしまったのでしょう?

一つには、今から40年ほど前は2025年問題に向けてリハビリテーション医療を普及させる目的で診療報酬が右肩上がりとなり、理学療法士を雇えば黒字となるため、病院・施設は理学療法士の雇用に躍起になり、当時の理学療法士はちやほやされ、自己研鑽をおろそかにしてしまった事があるように思います。

また、理学療法士の養成校は儲かると囁かれ(?)学校も規制緩和の波を受けて乱立した結果、定員割れにならないように基礎学力が低い学生や、親や教師に進められるまま自身の明確な意思を持たないまま養成校に入学し、そのまま理学療法士になってしまった理学療法士なども含んだ急激な理学療法士の増加により、教育が不十分となり本来の目的を見失ってしまったのではないでしょうか。

人口動態と養成校の影響

人口動態と養成校の影響

~2040年 理学療法士業務の多様化と地域保健への関わり

2040年までは老年人口は増加し、一方で年少人口が減少します。そのため、理学療法士業務は延長された寿命による多種多様な疾患に対する理学療法による多様化と老年人口の増加に伴う量的な拡大がおこるとになるでしょう。

また、多様化の中に、元気なお年寄りに対する関わりも必要となると考えます。

2040年~

老年人口の減少、年少人口の減少による人口そのものの減少が起こります。

老年人口の減少、年少人口の減少による人口そのものの減少

すると、相対的に理学療法の対象となる患者が減少し、2006年の診療報酬改定での疾患別リハビリテーション料の導入や算定日数の上限設定などによる理学療法の診療報酬引き下げに伴い理学療法士が余儀なく退職に追い込まれた状況が再現される可能性があります。

一方で、医療現場における問題として介護不足が叫ばれています。外国人介護者の導入、介護職の賃上げ給付措置など政府指導による問題解決への取り組みが行われています。
この介護不足に対して、供給過剰となりあぶれた理学療法士が割り当てられる可能性は否定できないでしょう。

厚労省はここまで先を見据えて養成校の乱立を許し、理学療法士の増加を政策で誘導しているのでしょうか?

これからの理学療法士

エビデンス(科学的根拠)のある理学療法の提供と予防医療への参画

エビデンス(科学的根拠)のある理学療法の提供と予防医療への参画

理学療法が不要か?、と問われると、必要と答えるでしょう。いや、答えたいですね。
それには”本来の理学療法士の役割を果たす”とういう条件が必要不可欠です。

更に、病気になる前の状態への関与が理学療法士の職域拡大としても将来の人口減少に対しても有益と考えます。

実際、病気になってからリハビリテーションをしても全く元と同じ状態にはなりえません。

しかも、病気になることで、当事者は休職あるいは退職となり、復職できたとして、元の仕事が継続できる場合もあれば職場転換となる場合も見受けられます。
しかも、影響は当事者のみにとどまらず、配偶者や家族の中で介護を余儀なくされる場合もあるでしょう。

また、子どもが学生の場合は、休学や退学が必要となることもあるでしょう。

この様に、病気になることで当事者の精神的・身体的障害に加え、同居する家族も精神的・身体的負担に加え、経済的・生活的負担が強いられる可能性があります。

さらに、この当事者が会社や社会において与える損失は一人ひとりはそうではないかもしれないが全体として考えると人口減少社会の中においては大きな経済的損失となりえます。

病気になる前の状態に対して理学療法の知識や技術を駆使することで発症を減少あるいは遅滞させることは必然と考えるのは飛躍しすぎだろうか?

理学療法士協会においても、予防に対する取り組みが行われ、勤労者を対象とする産業理学療法部門が設立されています。

まとめ

これからの理学療法の将来について、何か感じるところがあったのではないでしょうか?
これからは、というより約50年前、日本のリハビリテーションの創成期から近年までがそうであったように、これからも漫然と理学療法士を続けておくことは難しいでしょう。医療の現場では比較的若い日本の理学療法は今の現状に胡坐(あぐら)をかいているわけにはいかないのです。足踏みは後退です。前に向かって進むことを今一度再確認しなければならないでしょう。
POINT 理学療法士の将来について考えました。
人口動態の変化により2040年を境に取り組み方を考えました
理学療法の目的とEBMに基づく理学療法の提供の必要性について説明しました。
職域拡大として産業理学療法についてその必要性を考えました。

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TAO

悠々自適な経済的自由人に憧れながらも、人として何ができるか模索の毎日です。修士課程で複雑系システムに魅了され頑張らない人生が理想です。

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